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連載 デジタルとアナログをブレンドする学び第1回

オンラインでやったことを、対面でもう一度やらない

デジタルとアナログを「両方やる」だけでは、ブレンドになりません。何をどちらに任せるかという分け方の話です。

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素材: note記事「ブレンディッド・ラーニング」(2020-06-16)


六年前に、こんなことを書いていました。

蒸気船が登場したとき、帆船の会社は帆と蒸気機関の両方を積んだ船を作りました。両方あれば安心だと考えたのだと思います。結果として、その会社は蒸気船の会社に飲み込まれて消えました。

一方、ハイブリッド車を作った自動車メーカーは、同じ時期に電気だけで走る車も開発していました。飲み込まれる側にならないように、先を見て手を打っていた。

両方やることが強さになる場合と、弱さになる場合がある。この違いはどこにあるのか。ずっと考えています。

「両方やる」だけでは、ブレンドになりません

デジタルとアナログを組み合わせる学び方は、ブレンディッド・ラーニングと呼ばれます。定義として知られているのは、次の三つです。

  1. 学ぶ時間、場所、順番、ペースを、子どもが一部でも自分で選べること

  2. 家以外の、見ている大人がいる場所でも学ぶこと

  3. オンラインで学んだことと、その場で学んだことが、ひとつの流れとしてつながっていること

この三つは『ブレンディッド・ラーニングの衝撃』という本で示されている定義です。私が書いた本のもとにもなっている一冊です。

大事なのは三つ目です。ここが抜けると、ただの併用になります。

いちばん多い失敗

オンラインでやったことを、対面でもう一度やることです。

動画で説明を聞いた子に、教室でもう一度同じ説明をする。時間を二回使って、一回分しか進んでいません。丁寧に見えて、実は子どもの時間を削っています。

家でも同じことが起きます。アプリで漢字をやった子に、もう一度同じ漢字を書き取りさせる。悪いことではありませんが、それはブレンドではなく重複です。

何をどちらに任せるか

私の中では、こう分けています。

デジタルが得意なこと

  • 何度でも繰り返せる

  • 止められる、戻せる

  • 一人ひとりのペースで進められる

  • やった記録が残る

アナログでなければできないこと

  • 声に出す

  • 手で書く

  • 目の前の人に見てもらう

  • その場で問い返される

音読は声です。作文は手です。ここはデジタルに置き換えられません。逆に、説明と反復はデジタルに任せてしまってよい。同じ説明を人が何度も繰り返す必要はありません。

家庭で試せること

  1. 説明は動画に任せる。 親が教え直さない。ここを我慢できるかどうかが、いちばん大きいと思います

  2. 手を動かすところは紙でやる。 書く、声に出す。ここは画面の外に出す

  3. 一緒にいる時間は、説明ではなく「どこで詰まったか」を話す時間にする

三つ目が、この連載でこれから何度も出てくる話になります。会っている時間を説明で使い切ってしまうと、いちばん価値のあることをする時間がなくなります。

子どもは七年でアップデートされる

体感として、子どもの性質は七年くらいで入れ替わります。上の子に効いた方法が、下の子には効かない。それは親のやり方が悪いのではなく、育つ環境が変わっているからです。

だからこそ、方法そのものより、何をどちらに任せるかという分け方のほうが長く使えます。道具は変わりますが、声に出すことと手で書くことがアナログの側に残るのは、当分変わらないはずです。

次回は、その「会っている時間に何をするか」を書きます。


この記事で触れた教材

音読・暗算・漢字・計算の動画とプリントがあります。まず試してから決められます。

前田

ホーホービデオ制作者。音読・暗算・漢字・計算の教材をつくっています。 神戸・新大阪・東京の墨田区で、適性検査と中学受験の個人指導も行っています。